
水耕栽培で育てている苗が、細くひょろ長く伸びてしまった…
そんな経験はありませんか?
これは「徒長」と呼ばれる現象で、植物が健康に育つためのバランスが崩れたサインです。
徒長してしまうと、茎が弱くなり倒れやすくなったり、生育が悪くなったりするため、早めの対策が必要です。
本記事では、徒長の原因を詳しく解説しながら、健康な苗を育てるための具体的な対策を紹介します。
水耕栽培で徒長が起こる主な原因

水耕栽培は土を使わずに植物を育てるため、成長環境の管理が重要になります。
しかし、条件が適切でないと、苗が徒長しやすくなります。
ここでは、主な原因を詳しく解説します。
徒長の主な原因は以下です。
これらを適切に管理することで、健康でしっかりした苗を育てることができます。
1. 光の不足
植物は光合成によって成長しますが、光量が不足すると、光を求めて細くひょろ長く伸びてしまいます。
特に室内でLEDライトを使用している場合、適切な照射時間や光の強さを確保しないと、徒長の原因になります。
対策
- 光量の強いLEDライトを使用する(例:フルスペクトルLED)
- 1日12〜16時間程度の照射を維持する
- 光源と苗の距離を適切に調整する(10〜20cmが目安)
2. 肥料・養分のバランス
水耕栽培では養液の成分が植物の生長に直接影響を与えます。
特に窒素(N)を多く含む肥料を過剰に与えると、葉や茎の成長が促進されすぎて徒長しやすくなります。
対策
- 窒素を抑えた肥料を使用する(リン(P)やカリウム(K)をバランスよく配合)
- 市販の水耕栽培用液体肥料を適量使用する
- 養液の濃度(EC値)を定期的に測定し、適正な範囲に保つ
3. 温度管理のミス
気温が高すぎると植物の成長スピードが速くなり、徒長しやすくなります。
特に夜間の温度が高いと、茎だけが伸びてしまうことがあります。
対策
- 最適な温度(昼間20〜25℃、夜間15〜20℃)を維持する
- LEDライトの発熱に注意し、適度に換気する
- 室温が高い場合は扇風機やエアコンで調整する
4. 風通しの悪さ
自然環境では風が吹くことで植物の茎が強くなりますが、室内の水耕栽培では風がないため、茎が弱くなりやすいです。
対策
- 扇風機を弱く回し、適度に風を当てる
- 1日数回、手で軽く苗を揺らして刺激を与える
- 栽培スペースに余裕を持たせ、密集させすぎない
5. 水分の過剰供給
水耕栽培では常に水分が供給されるため、根の発達が不十分になることがあります。
根がしっかり育たないと、苗が徒長しやすくなります。
対策
- 水位を適切に調整し、根の成長を促す(根の一部が空気に触れる状態が理想)
- エアレーション(エアポンプ)を活用し、酸素供給を増やす
- 根が水に浸かりすぎないように管理する
徒長を防ぐための具体的な対策

水耕栽培での徒長を防ぐには、環境を適切に管理することが重要です。
徒長を防ぐためには、
- 光量を確保し
- 肥料バランスを整え
- 適温を維持し
- 風を当てて茎を鍛え
- 適切な水管理を行うこと
が重要です。
これらの対策を実践することで、健康で丈夫な苗を育てることができます。
1. 光量を確保する
光が不足すると、苗が光を求めて細長く伸びてしまいます。
特に室内栽培では、適切な光量と照射時間を確保することが大切です。
対策
- 高品質なLEDライトを使用する
- 水耕栽培専用のフルスペクトルLEDライトを選ぶ
- 光量が十分か確認(20,000〜30,000ルクスが理想)
- 照射時間を適切に調整する
- 1日 12〜16時間 照射する(植物によって調整)
- 光源と苗の距離を最適化する
- LEDライトを 10〜20cm の距離に設置(近すぎると熱害、遠すぎると徒長の原因に)
2. 肥料のバランスを調整する
養液の栄養バランスが崩れると、特に窒素(N)が多すぎる場合、茎や葉が過剰に成長して徒長を引き起こします。
対策
- 窒素(N)の過剰供給を避ける
- リン(P)やカリウム(K)をバランスよく配合 した肥料を使用
- 市販の水耕栽培用液肥を適量使用
- 養液の濃度(EC値)を管理する
- EC値(電気伝導度)を0.8〜1.2 mS/cm に維持(植物による)
- ECメーターで定期的に測定し、薄すぎず濃すぎず調整
3. 温度管理を徹底する
温度が高すぎると、植物の成長が促進されて徒長しやすくなります。
特に 夜間の温度 に注意が必要です。
対策
- 昼間:20〜25℃、夜間:15〜20℃ を維持
- LEDライトの発熱を考慮し、適度に換気する
- 室温が高い場合は扇風機やエアコンを使用
4. 風を当てて茎を鍛える
自然環境では風の刺激を受けることで、茎が強く成長します。
室内栽培では風がないため、徒長を防ぐために人工的に風を当てることが大切です。
対策
- 扇風機を弱風で回し、1日数時間風を当てる
- 風が強すぎると乾燥の原因になるため、優しく当てる
- 苗を軽く揺らして刺激を与える
- 手で優しく苗を揺らすことで、茎が鍛えられる
5. 水分管理を見直す
水耕栽培では常に水分が供給されるため、根が十分に発達せず、結果的に徒長しやすくなることがあります。
対策
- 水位を適切に管理する
- 根の一部を水につけ、一部を空気に触れさせる のが理想
- エアレーション(エアポンプ)を活用する
- 水中の酸素供給を増やし、根を健全に育てる
6. 適度な間引きを行う
密集しすぎると光が当たりにくくなり、競争が起こって徒長しやすくなります。
対策
- 双葉が展開したら、強い苗を残して間引く
- 苗同士の間隔を空け、風通しを良くする
徒長してしまった苗のリカバリー方法

もしすでに苗が徒長してしまった場合でも、適切な対策を講じれば、ある程度回復させることができます。
徒長してしまった苗は、
ことで改善できます。
また、葉物野菜なら早めに収穫してしまうのも一つの手です。
これらのリカバリー方法を実践しつつ、今後は徒長しないように環境を整え、丈夫な苗を育てていきましょう!
1. 光量を増やし、環境を改善する
徒長の原因の多くは 光不足 です。
まずは光の条件を見直し、適切な環境を整えましょう。
対策
- LEDライトの光量を増やす(フルスペクトルLEDや高光量のライトを活用)
- ライトと苗の距離を10〜15cmに調整する(近すぎると熱害のリスクがあるため注意)
- 照射時間を1日14〜16時間に設定する
- 屋外栽培の場合は、できるだけ日光の当たる場所に移動する
2. 深植えで補正する
苗が徒長してしまった場合、植え替え時に 深植え することで、茎の部分から新しい根を生やし、安定させることができます。
対策
- ロックウールやスポンジ培地を使って深く植え直す
- 培地の根元まで水をしっかり吸わせ、活着を促す
- トマトやナスなど、一部の植物は茎から発根しやすいため特に効果的
※ ただし、レタスやハーブ類など茎が発根しにくい種類は、根の状態を整える方が重要になります。
3. 支柱を立ててサポートする
徒長した苗は茎が細く、倒れやすくなっています。
支柱を立てて安定させることで、茎が折れたりダメージを受けたりするのを防ぎます。
対策
- 細い竹串や割りばしを使い、茎を軽く支える
- 麻ひもやクリップで優しく固定する(強く縛らない)
- 成長するにつれて、支柱の位置を調整する
4. 風を当てて茎を強くする
徒長した苗は茎が弱くなっているため、少しずつ風に慣れさせて鍛えることが大切です。
対策
- 扇風機を弱めに当て、茎を強化する(1日数時間程度)
- 苗を軽く揺らして刺激を与える(人工的な風がない場合)
- 過度に強い風を当てると苗がダメージを受けるため、慎重に調整する
5. 水分と養分のバランスを見直す
徒長した苗は、過剰な水分や窒素(N)の影響を受けている可能性があります。
水耕栽培の養液濃度を適切に管理しましょう。
対策
- 水位を調整し、根の一部が空気に触れるようにする(過剰な水分供給を防ぐ)
- 窒素(N)を抑えた養液に変更し、リン(P)やカリウム(K)を増やす
- EC値(電気伝導度)を0.8〜1.2mS/cmに維持し、濃すぎないようにする
6. 収穫を早める(葉物野菜の場合)
レタスや小松菜などの葉物野菜は、徒長してしまった場合、早めに収穫するのも一つの方法です。
対策
- 外葉を先に収穫し、残った株に養分を集中させる
- 根元から再生するタイプの野菜(リーフレタスなど)は、株元を残して育て直す
- 徒長したものはサラダや炒め物にして利用する
まとめ
水耕栽培において徒長はよくあるトラブルですが、
などの原因を理解し、適切な対策を講じることで防ぐことができます。
もし徒長してしまった場合でも、
などのリカバリー方法を実践すれば、ある程度改善できます。
健康な苗を育てるためには、日々の環境管理が重要です。
光の強さや照射時間を見直し、適切な養液管理を行いながら、丈夫でしっかりした苗を育てていきましょう。
水耕栽培を成功させるためには、「環境の最適化」 が鍵です。
今回紹介した方法を活用しながら、元気な植物を育てましょう!
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